「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」完結編NO.1

2019年3月2日に「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の第1回目を始め、その後、続編の掲載を行ってきました。

今回から始める「完結編」は、長期にわたった内容のエッセンスを凝縮して、
短期間で効率的なマスターができる工夫を盛り込みました。
1,忘れない方法を使って
2,面白く、楽しみながら
3,短期間で2100個以上の中国語漢字を
4,簡単に
マスターする
ことを目標に進めていきます。

面倒なピンインや、声調が嘘みたいにすらすら覚えることが出来たら、
中国語の学習がますます楽しくなりますよね。

内容は今までの掲載との関連も有るので、今までの掲載は参考資料として、
ひとまずそのまま残す事にします。

完結編は母音別にフレーズを使って漢字のピンインと声調をマスターし、漢字の用例も一緒にマスターしていきます。
2100を超える漢字のピンインと声調をマスターすれば、6000を超える用法が使えるようになるので、専門用語を除く通常の会話は全く問題なくできるようになります。
先ず本編の特徴を説明します。

日本語のフレーズで中国語漢字のピンインと声調が確実に覚えられるのが最大の特徴です。

フレーズの中にピンインと声調を覚えるキーワードを入れることで簡単にしかも正確にピンインと声調を覚えることが出来る仕組みです。

中国の漢字を読むには、ピンインに声調を付けることで発声ができます。

中国語は日本語と同じように母音が有りますが、
日本語は母音がaiueo(あいうえお)の5個に対して
中国語は基本母音がaiueovの6個が有り、
さらに基本母音から派生する複合母音が有るのでそれを含めると35個もの母音が有ります。

複合母音は、
基本母音aの場合 ai,an,ao。
基本母音iの場合 ia,ie,in,iao,ian,iou,ing,iang,iong。
基本母音uの場合 ua,uo,uai,uan,uei,uen,uang。
基本母音eの場合 ei,en,eng。
基本母音oの場合 ou,ong。
基本母音vの場合 ve,vn,van。があります。
(ピンインは表記上のきまりが有ってv はuと書くケースが多いです。そのため
基本母音u と混同してしまい、正確な発音ができなくなってしまうので注意が必要です。

基本母音の発音方法は、日本語の母音の発音方法と似ている部分は有りますが、
根本的には全く別の発音方法であることに注意しなければなりません。

中国語で話すには最初にこの基本母音の発音方法を理解し、実際に何度も発音して慣れることが大事です。

発音方法に関してはネット上に多数の教材が有るので、本編ではこの発音の仕方には触れません。

中国語の漢字の発音は、母音だけで発音されるものと、子音+母音で発音される漢字の2種類有ります。子音の数は21個有ります。

子音は b,p,m,f,  d,t,n,l,  g,k,h,  j,q,x,     zh, ch, sh, r,    z,c,s  の21個です。

そして中国語の発音で最も厄介な声調が有ります。
同じピンインでも声調が異なると、違う漢字を示すことになるため
声調が違った発音では会話が通じません。

本編で紹介する学習方法は、発音に必要なピンインと声調が簡単にマスター出来るのが特徴です。

先ずピンインの母音の部分は、中国語の母音だけで発音される代表的な漢字を
母音のキーワードとします。
例えば母音がanの場合「按摩」の「按」のピンインが an なので、
フレーズの中に「按摩」という言葉が出てきたらそれは、母音の an のことです。

子音はローマ字で、 子音+a,o,e,iで始まる言葉をそれぞれ1声、2声、3声、4声の
キーワードにしています。
(a,o,e,i の順番は、日本語の母音の発音で、口を一番大きく開けるのがアで以下段々小さくなる順番なので覚えやすいでしょう。)

例えば子音がb の場合

1声は b+a = バで始まる言葉・・・・・・・ バット

2声は b+o = ボで始まる言葉・・・・・・・ 帽子

3声は b+e = ベで始まる言葉・・・・・・・ ベッド

4声は b+i = ビで始まる言葉・・・・・・・・ ビール

例えばbaの1声は、バットではなく、バナナやバトミントン等でも良いのですが、
バットをキーワードに選択しています。

このキーワードを使えば
バットならば b+aで始まる言葉なので bの1声
帽子ならば b+oで始まる言葉なので bの2声
ベッドならば b+eで始まる言葉なので bの3声
ビールならば b+iで始まる言葉なので bの4声
という具合に子音と声調が解る仕組みです。
(本ブログでは、声調記号はピンインの後に数字で示しています。
また声調が簡単に解るよう漢字の色分けを極力行っています。
茶色は1声赤色は2声青色は3声薄い黒は4声です。)

具体的な例で説明します。
例えば 「般 班 搬」の漢字は banの1声の漢字です。
これらの漢字の意味、ピンイン、声調の情報は
一般的な班長さんは、引っ越す時、バットを按摩屋で振り回す。」
というフレーズの中に含められています。

一般的な=般
班長さんは=班
引っ越す時=搬
バットを=子音 b の1声
按摩屋で振り回す= 母音の an
これらの情報から
般 班 搬」の漢字は ban1 だと解る訳です。

各々の母音のキーワードについては本編を進める中で説明していきます。

中国語の発音は、声調の違いに加えて
an とang, en とeng,  in とing , uanとuang 等紛らわしい発音が多いです。
しかしフレーズで覚えれば、
これらの紛らわしさも嘘みたいに解消して覚えることが出来ます。

母音のキーワードは、中国語の母音のみの漢字を選択しましたが、対象の無いものは適当な日本語を選びました。

子音と声調のキーワードの数は多いですが、
先頭の言葉が 子音+ a, o, e,i となるキーワードなので、
フレーズの中で分かるようになります。 

子音+声調のキーワードは以下を参照ください。

子音のキーワード


母音だけの漢字の声調も必要なので
a, o, e, i の順番で
1声は、a から始まる 赤とんぼ
2声は、o から始まる 斧
3声は、e から始まる エメラルド
4声は、i から始まる 生き埋め
がキーワードです。

この母音と声調を含む子音の2種類のキーワードを使って
ピンインと声調をマスターするのが特徴です。

声調は1,2,3,4声の他に中国語には、「軽声」が有ります。

軽声」 は、漢字が2つ以上つながった語句の中に出てきます。

1,恒常的に軽声なる漢字。

2,2個同じ漢字で出来る語句の後ろの漢字。

3,本来の声調と軽声とで意味を区別する語。

等が有りますが、中国語の軽声は厳格なルールがなく、
長い習慣の中で決まってきたもので、ネイティブでも個人や方言よっても
軽声を使うかどうかの基準が異なります。
軽声については、単語を覚えるときに学習しましょう。

さて、キーワードを使った中国語漢字と発音の習得方法について説明をしてきましたが、何でわざわざこんな面倒な覚え方をしなければならないのか!
直接覚えた方が簡単で手っ取り早いと思う方が多いでしょう。

昨夜食べたものを思い出す時、どうやって思い出しますか?
食べた状況や、誰と食べたか、味はどうだったか、食べる前は何をしていたか等等
色々な情景を連想する中で、何を食べたかを思い出しているでしょう。

人の名前を思い出そうとするとき、その人の顔、姿等のイメージを頼りに名前を思い出します。
このように思い出すには、人それぞれにほとんど無意識に思い出すプロセスパターンが有って記憶をたぐり寄せています。

多くの内容を一度に覚えるには、覚えるための工夫が必要です。
単純な反復による記憶は、短い期間なら反射的に思い出すことはできますが、少し時間が経つと忘れてしまいます。
せっかく時間をかけて覚えたのに、簡単に忘れてしまうのは非常に悔しいですね。

記憶しやすく、思い出しやすい方法で学習すれば、
時間が経っても忘れにくいです。

もし忘れてしまっても、記憶しやすいので直ぐにリセットできるのは便利です。

中国語を外国語として学ぶのに本編の方法なら、
短期間で多くの漢字と発音を覚えられ、しかも忘れにくいメリットは、
他のどんな学習方法より効果的です。

先に「般 班 搬」の漢字は
一般的な班長さんは、引っ越す時バットを按摩屋で振り回す。」=ban1
というフレーズで覚えることが出来ることを紹介しました.

banには3声、4声の漢字も有ります。

3声の漢字「 」2個の漢字は
「版画の板は按摩のベッドになる。」というフレーズで覚えます。
版画の=版
板は=板
按摩の=母音の an
ベッドになる= b の3声
つまり「版 板」の漢字は ban3 ということが解ります。

banの4声の漢字「瓣 半 伴 扮 办 拌」6個の漢字は
「花びらを半分伴うおしゃれな方法は、ビールを、按摩屋で、かき混ぜ口論する。」というフレーズで覚えます。
花びらを=瓣
半分=半
伴う=伴
おしゃれな=扮
方法は=办
ビールを=子音 b の4声
按摩屋で=母音の an
かき混ぜ口論する=拌
つまり「瓣 半 伴 扮 办 拌」の漢字は ban4 だと解ります。

このように、フレーズを使えば、複数の漢字をまとめて覚えることができます。

子音 b に対して、バットが1声、(2声は帽子)、ベッドが3声ビールが4声
というキーワードを割り振ることで声調を確実に覚えることが出来るわけです。

今回1回目は母音が er 耳を掲載します。
er が母音か?という説は有りますが、母音の一つと解釈して進めます。
耳は中国語で「耳朵」er3 duo3 です。
3声が二つ並んでいるので、最初の er は2声気味に発音されます。
この耳の発音が er なので、母音 er のキーワードは「耳」です。
er は2,3,4声
而儿 , 尔耳 ,
の漢字の意味とピンイン、声調を3種のフレーズでマスターします。

1,而儿   その上、子供の耳を斧で切り落とす。

2,尔耳   たまには耳にエメラルドを飾る。

3,二     二つの耳で生き埋めの話を聞く。

以下は各フレーズについての説明と用例です。

母音だけの漢字 er の声調は
1声は、a から始まる 赤とんぼ
2声は、o から始まる 斧
3声は、e から始まる エメラルド
4声は、i から始まる 生き埋め
がキーワードです。

er は2,3,4声の漢字
而儿 , 尔耳 ,
をマスターします。

er2
而     その上等の様々な接続詞の用法が有る漢字
儿     子供, 名詞の末尾に用いて、r化する漢字
その上、子供の耳を斧で切り落とす。
且     er2 qie3           その上、そして
     er2 zi0 息子、せがれ

er3
          たまに
耳          耳
たまには耳にエメラルドを飾る。
(「耳」が覚える漢字と母音のキーワードとダブっています。)
偶尔      ou3 er3               たまには
耳朵      er3 duo3             耳

er4
        二
二つの耳で生き埋めの話を聞く。
     er4 lou2            二階

フレーズを各々3回ずつ繰り返して読み上げる音声ファイルです。

221024_001

フレーズを読み上げている間に、対象漢字の発音を繰り返して発音してみて下さい。
記憶が一層固定化されます。

次回2回目は母音が a を掲載します。
母音 a はフレーズが43種類で対象漢字は61個です。