中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の続編 その70

前編から続編の一括目次です。(黄色のページは前編、青のページは続編です。)今までの内容が一覧できるので興味あるところをご覧ください。
今回目次を更新しました。
前編と続編その70までの目次

現在は従来の課題から少し脱線しています。今回は目線を変えて、中国語の発音に関する話題に転じた10回目です。

紛らわしい発音のシリーズで、今回は lu と ru です。

日本語の “ルー” は “ルーレット” や “ルーキー” や“ルージュ” や “ルーズソックス” や “ルート”  や“ ルール” や“ ルームサービス” などの外来語を日本読みしたときに出てくる発音です。
英語の r と l の区別がなく一律  “ルー” という発音になります。
そしてこの “ルー” は lu  に近い発音です。

ローマ字読みの感覚では、lu と ruも両方ともに “ルー” と読んでしまいますが、
中国語は発音する時の口の形の発声で区別できます。

lu の u は 、ハッピーバースデイの誕生会でロウソクの火を消すときに口先をとがらせてフゥーと息を吹きかける唇の形です。
小指の先が入る位に唇の先端が開いている状態です。この先端がさらに細くなるとlv の音になります。
続編その67の fu の発音方法では f の発音方法に重点を置いて u の発音方法は軽く流してしまいましたが、母音 u の発音は上記の通りです。

一方 ru の r の発音は有名な巻き舌音です。
続編その68でも r の発音方法に触れました。
巻き舌音 zh, ch, sh, r の発音の場合、日本語のほぼ “エ” の発音の口の開けかたで、
舌を上側に丸めた状態を維持しながら後に続く母音の発音をします。

ru の場合は、日本語の “エ” の発音の口の開けかたから “ウ” の口の開け方に移動して発音します。
つまり、舌を上側に丸めた状態を維持しながら“ルウ”と発音します。

それではlu と ru の漢字の分布を見てみましょう。
25,luとru

次に、lu と ru の漢字を抽出したリストを添付します。
当ブログで取り上げている漢字は 9個有ります。
10,luとruの漢字リスト

それでは実際の発音がどのように聞こえるのか聴いてみましょう。
上記の添付のリストの中から、5つを選んでみました。
これらの漢字の発音を順番に聴いてみましょう。

1,     炉     lu2    炉、コンロ

2,     如     ru2    もし、なになにのごとく

3,     乳     ru3    お乳

4,     路     lu4    道

5,     入     ru4    入る

ru の音をいかにも巻き舌音っぽく発声することで、相手がluかどうか迷わないようにしてあげましょう。
なお余談ですが、lu と ru の発音を読み上げソフトで幾つか試してみましたが、
どれもイマイチでした。

ネット上で生声で発声しているものがありましたので下記に紹介します。

https://cn-seminar.com/training/

全部の発声は聴いてないので解りませんが、多分ネイティブが実際に発音しているようなので参考になると思います。

私が中国上海に駐在していたのは、2003~2010年でした。
駐在当初は、中国人全員が標準語(普通語)を喋っていると思っていましたが、
数年後にやっと気づいた事は、まともな普通語を喋るのは、
アナウンサーくらいで、大概の人は多かれ少なかれ地方なまりや個性が有り、
それに気づくまでは発音について相当悩み困惑していました。

それでも彼らの間で会話が成立するのは、声調は正しく使われていたからです。

駐在当時こんなことが有りました。
私が上海の空港に着いたとき、上海人の運転手から電話で si2 hao4 のゲートで待っているという連絡を受け、4番ゲートに行って探しましたが見当たらず、
おかしいと思いながら運転手に電話をしたら、すでにsi2 hao4门口で待っているとのこと!

いくら探しても見当たらず困り果てましたが、そのときやっと気づきました、
shi2 hao4 じゃないかなと思い、熱いさなか汗をかきかき10番ゲートに行ったら車が待っていました。(普通語では 十号门口 shi2 hao4 men2 kou3)

こんなことも有って、声調は正しく使えなければいけないと認識しました、
しかし声調を覚えるのは自分にとってとても大変でハードルが高すぎる。
そこで、声調が簡単に覚えられてしかも忘れにくい方法はないかと独自に考えて、試行錯誤の結果、フレーズによる覚え方にたどり着き、そのおかげでハードルが一挙に低くなりました。
楽に覚えられて忘れにくい方法なので、他の中国語を学ぶ人たちにも使ってもらいたいと思いブログを始めた訳です。
一見回りくどい学習法に思えますが、学習法の内容が理解できれば、
これほど簡単にピンインと声調を覚えられる方法は無いです。

教材の紹介です。久しぶりに見直しをしましたので参照ください。
教材紹介(2020年9月9日版)

前編の「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の内容と、
現在までの続編の内容がすべてこの教材に入っています。

ブログではこの教材の中から都度一部を切り出して掲載しています。
Excel教材は、声調と子音及び母音に番号を付けてあるので、
ソート機能や並び替えの機能を使って自分が使いやすい教材に変身させることができるのでとても便利で効率的に学習ができます。

以上で続編その70は終わりです。次回は jiaとzhaです。