中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の続編 その73

前編から続編の一括目次です。(黄色のページは前編、青のページは続編です。)今までの内容が一覧できるので興味あるところをご覧ください。

前編と続編その70までの目次

現在は従来の課題から少し脱線しています。
今回は目線を変えて、中国語の発音に関する話題に転じた13回目です。

紛らわしい発音のシリーズで、今回は jiuとju です。

jiuは “ジウ”、ju は“ジュ”と少し無理やり読むことができますが、
本当はどのように読むのでしょう。

jiu は“ジウ”と読んでしまいそうですが、jiu はjiou の省略表示なので、
“ジオウ”と読みます。
この “オ” を入れることがポイントです。
口を横に引いて “ジ” の発声後に “オウ” と発音します。

一方、ju の u は表記上は u ですが、実際は ü です。
ü はアルファベットに無いので、代理の v を使って表記します。 
それなら、初めから jü  (=jv )と書けばいいと思いますが、
なぜか ju と書くことになっています。
音節表で、母音がü (=v)系なのは、子音が j,q,x と、子音が n の nvとnve
そして子音が l の lv とlveです。

子音が n の場合 nu が有るので、それと区別のため v を使わざるを得ないし、
子音が l の場合も lu が有るのでそれと区別するためにvを使うことになったのでしょう。
n とl だけが u (踊り) と v (魚)が共存しています。

ピンインだけだとこんがらがってしまいますが、当ブログで使っているキーワードを使うと解りやすくなります。

母音が v 系を表すキーワードについては、前編の「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の7(2019年3/6)の記事をご覧ください。

キーワードを使えば nv は n+魚、nve は n+月といった具合に表現できるので、
理解しやすく間違えません。

子音が  j,q,x の場合、母音が u (踊り)のものは有いので、
u と書くルールにしたと思いますが、もともとの発音の通りvにしたほうが、
紛れがなくていいのでは、と思うのは私だけでしょうか?

さて、ju の発音ですが、u は u ではなく v の発音と意識して発声しましょう。
v の発音は 英語の you (あなた)または日本語の”言う” の発音を口先をとがらせて発音します。

ji は唇を横に強く引きましたが、ju(=jv) は唇を丸めて強く前に押し出す感じで発音します。バースデー誕生会でロウソクを吹き消す唇の先よりもさらに口先を狭めとがらせて “ジィユー”と発音すれば完成です。

それでは jiu と ju の漢字の分布を見てみましょう。
28,jiuとju

次に、jiu と ju の漢字を抽出したリストを添付します。
当ブログで取り上げている漢字は 25個有ります。
13,jiu と ju の漢字リスト

それでは実際の発音がどのように聞こえるのか聴いてみましょう。
上記の添付のリストの中から、7つを選んでみました。
これらの漢字の発音を順番に聴いてみましょう。

1,         究        jiu1       究める

2,         居        ju1       住む

3,         局        ju2       局

4,         九        jiu3       九

5,         矩        ju3       おきて、決まり、直角定規

6,         救        jiu4       救う

7,         巨        ju4       巨大である

ピンインは発音方法をアルファベットを使って示したものですが、
音楽の楽譜の音符と同じで、細かなニュアンスまで伝えることはできません。
実際は聴いたり話したりする中で実際の発音を学んでいくのですが、
普段の生活の中で中国人のネイティブと話す機会に恵まれた環境で中国語を学んでいる人は多くはないでしょう。

最初はやはり聴くことが大事だと思います。
NHKの中国語でのニュース番組が有るので(普通語を喋るアナウンサーで有ることがポイント)、内容の意味は解らなくても、
聴いて発音のニュアンスを感じていけば、耳が慣れてきてそれに合わせて
次第に口が養われてゆくでしょう。 加油!

 

教材紹介(2020年9月9日版)

前編の「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の内容と、
現在までの続編の内容がすべてこの教材に入っています。

ブログではこの教材の中から都度一部を切り出して掲載しています。
Excel教材は、声調と子音及び母音に番号を付けてあるので、
ソート機能や並び替えの機能を使って自分が使いやすい教材に変身させることができるのでとても便利で効率的に学習ができます。

続編で行っている母音別に覚えていく方法は、ピンインが同じで声調が異なる漢字を学習しているので、とても効果的に身につく方法だと思います。
そして、これを読み上げている教材を使えば、聴いた分だけ確実に身につくので
これ以上合理的に声調とピンインをマスターする方法は他には無いはずです。

以上で続編その73は終わりです。次回は qi と chi です。