今回は「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」の最終回です。
最終回の今回は軽声について紹介します。
中国語を学習する中で、軽声となる漢字があちこちに出て来ますが、
教本、辞書などを比較すると、軽声で有ったり、無かったりするケースが現れ、
学習する側にとって困惑する場合が有ります。
そこで今回は軽声に関する基本的な内容を紹介しようと思います。
内容はネットからの情報を含め要点をまとめたものです。
[軽声の解説1]
軽声は必ずほかの音節に添える形で使用するというルールがあります。
単独で使うことはありませんし、声調符号の表記も基本ありません。
(当ブログでは、軽声の声調番号は “0” を用いて軽声を表しています。)
軽声を使用するパターンは少なくとも7種類から成っています。
- 動詞での後ろの音
一文字の単体で使える動詞を敢えて重ねると、「ちょっと~してみる」というニュアンスに変えることができます。
看看(kan4 kan0) 見てみる
听听(ting1 ting0) 聞いてみる
2. 名詞での後ろの音
後半の音が軽声になるだけで特に意味合いに変化はありません。
妈妈(ma1 ma0) お母さん
哥哥(ge1 ge0) お兄さん
妹妹(mei4 mei0) 妹
3.同じ発音の単語の後ろの音
言葉の意味合いが変わってしまいます。
眼镜(yan3 jing4)眼鏡 [名詞] ⇒ 眼睛(yan3 jing0 又は,yan3 jing1)目 [名詞]
买卖(mai3 mai4) 売り買いする [動詞] ⇒ 买卖 (mai3 mai0)商売 [名詞]
4.助詞や語気詞としての音
~的(de0)、~地(de0)、~了(le0)、~吧(ba0)、~吗(ma0)、~呢(ne0)
5.接尾語 (「子」「头」「们」等)としての音
接尾語:それ自身は単独で用いられず,常に他の単語
(または単語の中心的意味を負う部分)の後に結合して,いろいろの意味を添える。 椅子 (yi3 zi0) イス
枕头 (zhen3 tou0) 枕
我们 (wo3 men0) 私たち
6.位を示す場合の音
房间里 (fang2 jian1 li0i ) 部屋の中
桌子上 (zhuo1 zi0 shang0) テーブルの上
过来 (guo4 lai0) やってくる
上去 (shang4 qu0) 上がっていく
7.詞の「个」
三个 (san1 ge0) 3個
这个 (zhe4 ge0) これ
以上が軽声になる音節の基本パターンです。
それでも、地方によっては元来の発音を保持したまま発音する場合もありますので、
杓子定規的にとらえないようにするのも現実的です。
基本的な知識を理解し、あとはいろんなネイティブの方と接することにより軽声の扱い方も自然に習得することができるようになる、という説明が有りました。
[軽声の解説2]
上記の内容が軽声の基本ですが、2004年3月に、辻田正雄氏の「軽声について」という論文がネット上に有って、これが非常に良い研究成果なので是非一読下さい。
論文のpdf資料をそのまま以下に掲載します。
軽声について 辻田正雄
以上が軽声に関する紹介ですが、
基本は、その漢字のもともとの声調で発音できるようになっていることが大事です。
多くの場合、もともとの声調だったり、軽声だったり、話し手により変わるので、基本となる声調をマスターしておくことは重要です。
いろいろな軽声を含む用例をまとめてみましたので、参考にして下さい。
いろいろな軽声単語
以上で 120回に及んだ「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」のシリーズは終了です。
以下に120回の目次を添付します。
「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」目次1~120回
この120回に渡るのブログの内容は、ピンインと声調を、
“母音のキーワード”と”子音+声調のキーワード” の2つを使って、
同じ発音の漢字を日本語のフレーズにして、一括して覚えるという、従来に無い学習方法でした。
学習の手順は、子音別に、1声、2声、3声、4声と順を追って、”フレーズ”とそれを覚える為の、”読み上げ” と ”歌で歌う” 教材を紹介しながら進めて来ました。
”フレーズ” を学習すると、該当する複数の漢字の意味も、ピンインも声調も全部一緒に覚えられるので、従来の反復学習に比べ、マスターの速さは格段に違うことを体験していただけたと思います。
今後の予定をお知らせ致します。
中国語をマスターするには、ピンインもさることながら、声調をマスターすることが非常に重要です。
声調が正確でないと、まったく違った意味になってしまったり、相手が理解できない事態になってしまうので、年明けからは声調のマスターを主眼においたブログを展開しようと思います。
準備が必要なので、しばらく時間をいただいてから、再開しようと思います。
ご期待下さい。
最後に、「中国語ピンインと声調を簡単にマスターしよう」を閲覧して下さった方々に改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。
心新たに、新しい年をお迎えください。